2019-09

Jalshaのブログ

影の炎(5)

第五部 熊野   一 実際、そういうことになったのでございます。 翌々日のことでございました。淡路島が見えなくなりましたので、ずいぶん南に下ったのでございましょう。夕方になると、海はすっかり凪いでしまいました。そうなると、水夫たちは仕事がありません。風が出るか、汐が流れるかまでは、なにもすることがないのです。櫂で漕ぐことはできますが、今夜は月がありませんので、それもできません。そこで、...
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影の炎’(6)

第六部 伊勢 一  すこしずつ春になってきましたので、ある日、今後の作戦について話し合いをいたしました。 「わかっていることは少ない。北畠殿のところに天竺聖が入ったというのは、確実だと考えてもよさそうだ。次にかの者がどのように動くかは予測がつかないが、この前のやり口から見ると、北畠殿をたぶらかして、どこかの荘園の百姓衆を扇動し、彼らに一揆を起させて、どこかを攻めるというやり方だろう。...
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影の炎(7)

第七部 最後の合戦 一  夜明けのすこし前に、隣の部屋で物音がしましたので、見に行きました。伊賀の中忍の田代弥五郎殿が来ておられました。 「橋の向こうに北畠の本陣があって、北畠顕能卿が入っておられます。おっしゃっていた紅毛碧眼の行者もおります」 と弥五郎殿は言いました。 「今日、出陣するのだろうか」 と師の御坊が尋ねられますと、 「そんなに急いでいる様子ではありません。今日のところは...
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マシン復活

 小説の最後の行をアップロードしてから、パソコンの一部が動かなくなった。あれこれ苦労して、3日がかりでやっと復旧した。動かなくなったのは、メール関連のソフトで、原因はたぶんワード・プロセッサの一部の不具合だ。とにかくワード・プロセッサの一部だけをとりかえた。そうすると治った。なぜそんな不具合が起こらなければならないのか理解できなかったし、いまでも理解できない。不思議だ。  いまはパソコンは...
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掃除

 無線ランの装置が復旧するとともに、すこし手入れをした。たいしたことではないが、「一太郎」をデスクトップに並べたとか、そんなたぐいの「さまつごと」だ。実際上の使い勝手がよくなるわけではないんだけれど、なんとなくスマートになった気もしないでもない。  いっとき夢中になって使っていたソフトも、やがて使わなくなることもある。それらのソフトのショートカットがテーブルに並べてあると、まあ不便というほ...
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裏日記

 「チベット仏教裏日記」というようなものを書いている。いや、これは違うね。ほんとうは「チベット仏教陰日記」というべきかな。つまり、チベット仏教の典礼文(毎日のお勤めに使うお経)ができてくるときに、祖師たちがどんなことを考えていたのかを、典礼文をにらむことで復元してみよう、というような研究だ。典礼文は、とにかく有り難いことが書いてあるので、真正面から受けとって「神懸り」になるのが正しい読み方だし、...
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親の課題

 『アドラー心理学の秘訣』-パセージ・プラス-、という名前の合宿研修会が兵庫県の赤穂であったので、出かけてきた。9月21日の午後に開始して、23日の午後まで連続だ。全国の「パセージ・プラス」リーダーさんが集まって実習コースをする。実際の事例をとりあげて、分析しながら解決策を探る。いやあ、面白いねえ。  こういうグループのリーダーさんには「むき」と「ふむき」がある。「ふむき」の方から先に言う...
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芋煮

 しばらく夕食メニューを作らせてもらえなかった。インターネットに出ている食事メニューから適当なのを選んで作っていたのだが、元来「忠実派」ではないので、材料などを適当にアレンジしていた。どうもそれが妻の気に入らなくて、しばらく夕食マスターを免除されていた。それが、昨日は妻が大学のカリキュラムに行くことになっていて、私に夕食を作ってくれと言う。ただし、メニューなしはダメなので、ちゃんとレシピを持って...
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