Jalshaのブログ

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ウィーンの森のものがたり

 ヨハン・シュトラウスのワルツを聴いていた。普段はそう聴かないのだが、夢で彼のワルツを評価する音楽家に出会って、「ああ、シュトラウスもいいな」と思って、聴くことにした。こういう音楽は、何の気もなしに聴いて、さまざまの気分になって、それで終わってしまう。その「終わってしまう」ところが何ともいえず「あわれ」である。もっとも「あわれ」と思うのは日本人である私の特性で、ヨーロッパ人はそうではないのかもし...
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ウィーンの森のものがたり(2)

 19世紀のウィーンの舞踏室で戯れるイメージについて書いた。今日では、オーストリアの貴族や豪商でなくても、ウィーンフィルの演奏会を聴きにいける。行った人たちは、かつての貴族や豪商のようなイメージを持つわけではなく、いかにも現代人的な印象を持つのだろう。たとえば国際的な相場変動についてイメージするかもしれないし、ご贔屓の役者が世の中でどんな風に評価されるかについてかもしれない。あるいはもっと家族内...
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好きな音楽

 音楽が好きではあるが、もっぱらクラシック音楽で、それ以外のジャンルにはあまり関心がない。しかも、クラシックの中でも、かなり変った作曲家が好きだったりするので、人々と話が合わない。今さら言われても好みは変えられないので、しかたがないとあきらめていただくしかない。  なぜこういう音楽が好きになったかについては、歴史がある。すこし前に話をしたように、はじめはマーラーだのバルトークだのが好きにな...
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古典とのつき合い

 クラシック音楽というのは変った趣味で、100年以上前の音楽を繰り返し聴く。もともとはそんな古い音楽を愛好する趣味ではなかったのだが、19世紀が終わって20世紀になるころからそういう傾向が出てきて、今日ではすっかり常識になってしまった。  これにいくらか似ているのが古典文学で、最新作がもてはやされるとは限らないし、そんなに大量に売れるとも限らない。例を言えば、ソルジェニーツィンなどはまさに...
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「縦の関係」「横の関係」「ななめの関係」

 2人の子供の間に問題が起こったとする。親(あるいは教師)はその問題を解決しようと考える。そうなると、子供のコミュニケーションに立ち入ることになるだろう。その場合(ここがアドラーの独創なのだが)一方の子供を「良い者」もう一方の子供を「悪者」と決めてとりかかると、最初から設定がズレているので、いくら熱心に介入しても子供の問題は解決しない。そうではなくて、両方の子供が共通の「間違った信念」に陥ってい...
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二元論と多元論

 ある概念Aと、それに対立する概念Bとがあって、教師が生徒にそのどちらかを選ぶように勧めたとする。生徒は、AもBも気に入らなくて、第三のCを選択すると宣言した。さて、この状況は適切か不適切か、というのが昨日出した問題だ。  概念Aと概念Bは「競合的」と「協力的」なので、それとは関係のない第三の選択肢Cは存在しない、というのがアドラー心理学の基本前提だ。西洋人と話をしていると、これは当然のこ...
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二元論と多元論(2)

 西洋科学では二元論的論理が主流で、なんでもその型にあてはめて考える癖があること、これにたいして日本(やインド文化圏)では多元論的論理が主流であったことなどについて述べた。日本は開国以来150年になるのだが、いまだに二元論的論理は科学者専用で、一般の民衆は多元論的論理でもって発想するのが普通みたいだ。たとえば、野党勢力(つまり自民党中枢部以外の人々)は、現在も多元論的な論理空間の上で理屈を捏ねよ...
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紀元節

 今日は紀元節だ。もっとも、いまは「紀元節」とはいわなくて、「建国記念の日」ということになっている。紀元節の方が古いのだけれど、それでもたかだか明治初年までしか遡れないそうだ。建国記念の日という名前は戦後の発明だが、なお色濃く國軆主義を背負っている気がするので、あまり賛成ではない。なにかもうちょっと中立な名前があった方がいいだろう。さしあたって紀元節の方に1票入れておくが、その名前の方がいいと思...
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戦国時代について

 ひさしぶりに『日本国紀』を読んでいた。昨年11月に買って以来何度も読んでいる。といっても、全編を読むことはもうなくなって、いつも鎌倉時代の中半から室町時代の中半までを読む。武家政権が成立してゆく過程だ。武家政権が最終的に成立するのは江戸時代に入ってからで、それまでにさまざまの試行錯誤がある。その試行錯誤が本格的にはじまるのが応仁の乱(1468年)からだと思う。試行錯誤がはじまってしまうと、日本...
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戦陣食

 室町時代の食事、とくに戦陣食に関心をおぼえたので、インターネットで検索してみた。『日本人は何を食べてきたのか part4 鎌倉・室町時代』)というブログが結構面白くて、それを中心に考えてみる。  まず、『平安時代の貴族、僧侶といった上流階級は形式的な食事を重視し、仏教の影響を受けて肉食を禁止した結果、食品の種類はかたより不健康な食風でした』と書かれている。これが『武家の世となると玄米食と...
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